テーパリングとピーキングについて~個人差を考慮しましょう~

トレーニング

いよいよ今週末はツール・ド・おきなわですね。シーズン締めくくりと位置付けている方も多いのではないでしょうか。クライアントの方もそうですし、知人も疲労を抜くためにテーパリングだ~という言葉をよく見聞きします。丁度良い機会ですのでピーキングとテーパリングというものについて話をしてみたいと思います。

言葉の整理

まずピーキングもしくはテーパリングという言葉について。
同じ意味に使っている方がいらっしゃいますが個人的には別物と考えております。

・ピーキング=目標とする試合でパフォーマンスを十全に発揮するための試み。もしくは考え。

・テーパリング=徐々に練習量・頻度を下げ疲労を抜く事。

ピーキングという大きな枠組みの中の方法論としてテーパリングがあると理解しております。そもそもの練習量が少ないならばそれ以上練習量を減らさない方が良い場合もあるので、テーパリングを行えば必ずしもピーキングが成功するとは言えません。しかし、一般的には疲労を抜いた方がパフォーマンスを発揮できるので同じように使われているのだろうと思われます。

テーパリングの効果

研究によると、適切なテーパリングによって生じるパフォーマンスの向上は0.5~6.0%の範囲内であり、平均で約3%向上するようです。この約3%という数値を高いと見るか低いと見るかは何とも言えませんが、疲労困憊の状態や風邪を引いたりすれば大きくパフォーマンスを低下させます。

テーパリングというものは、シーズンベストを出すための攻めの戦略というよりも、マイナスを出さないための守りの戦略と個人的には捉えております。やらかしてしまわないのが最も重要と考えています。

テーパリングのガイドライン

テーパリングに対するメタ分析を見ると下記のようなガイドラインがあります。

・テーパリング期間は8~14日

・トレーニング量は41~60%に低減する。

・強度は維持する。

・頻度は余り変えない。

過去記事の「パフォーマンスが上がるというデータがあるから休むべき時は積極的に休むという選択」に詳しく記載しておりますので宜しければご覧ください。

個人差を考慮しよう

それではガイドラインに従ってテーパリングを行えばそれで良いのでしょうか?Trinityが下記のような報告を行っております。

24人の男性水泳選手に対し3週間のテーパリングを実施し最大パワーに対する割合を計測したところ、テーパリング1週目に大きく向上し、2週目は若干低下、3週目にまた向上するという反応を示した選手が最も多く8名(二相性反応)。

他にも1週目・2週目と向上し3週目には低下するという早い反応をした選手が6名。1週目・2週目には向上が見られず3週目になって急激に向上した遅い反応を示す選手が5名。他にも反応を示さなかった選手が3名。一定の割合で増加した選手が2名だった。

テーパリングによるパフォーマンス向上の表れ方には個人差が大きく存在するようです。ガイドラインはガイドラインであり、自分自身にとって適した期間や練習内容を考えないといけないようです。

まとめ

ピーキングというものは単に疲労を抜けば良いというものでは無く、どういった途中経過を経た際にパフォーマンスを発揮出来るかを確認しなければならないと言えそうです。

パワーメーターを利用したトレーニングを行っていらっしゃる方は、CTLやTSBといった数値を使ってトレーニングを管理されているかもしれません。勘だけでやるのに比べれば高い精度で管理出来ると思いますが、TSBがプラスになったから調子が良いはずだだけではなく、トレーニングの強度や量を時系列毎に確認し、どういった時にピークを発揮したかまで見て頂ければと思います。

さらに、トレーニングの負荷だけはなく仕事や外部環境(暑さ・寒さ等)、移動による疲労といったその他多くのモノを考慮しなくてはなりません。知識と経験、そして選手としての勘を働かせる必要があります。実際のコーチングでも常に悩む部分です。繊細な作業だけにレース本番で選手がパフォーマンスを発揮してくれた時は非常に喜びを感じます。

それでは選手の皆さん、週末のレース頑張って下さい!

編集後記

11月8日・9日ハンター・アレン氏のセミナーにゲストスピーカーとしてお話しします。
喫緊ですが、ご都合付く方は是非お越しください。

ハンター・アレンセミナー

11月8日(水) 東京セミナー1
・場所: アットビジネスセンター池袋駅前 別館 607号室
・時間: PM6:30-9:30
・料金: 13,000円 (先行割引あり)
・チケット
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01724bz5tkj8.html

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11月9日(木)東京セミナー2
・場所: アットビジネスセンター池袋駅前 別館 607号室
・時間: PM6:30-9:30
・料金: 13,000円 (先行割引あり)
・チケット
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012jzrz5bntq.html
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11月10日(金)名古屋セミナー
・場所: 名駅セミナーオフィス A
・料金: 11,000円 (先行割引あり)
・時間:PM6:50-9:50
・チケット
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012wtxz5uhxa.html
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内容等は各チケット販売ページをご参照ください。

参考文献

Bosquet L

Effects of Tapering on Performance: A Meta-Analysis

Med Sci Sports Exerc.2007 Aug;39(8):1358-65

Trinity JD

Maximal mechanical power during a taper in elite swimmers.

Med Sci Sports Exerc.2006 Sep;38(9):1643-1649

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