燃え尽きないためシーズン中にお休みを入れましょう-mid season breakについて-

トレーニング

 

5月19日にツイッター上で下記のような呟きをいたしました。

 

 

さらに、ある方とのやり取りで、経験則として取り入れていたけれども言葉があったとは知らなかったと伺いました。

 

そう言われると海外だと見かけるのですが、mid season breakに該当する単語や概念って日本で余り聞かないなと思いましてブログをしたためております。

 

先週末に富士ヒルクライムがあり、ヒルクライムメインの方にとっては前半戦の大勝負を終えた所だと思います。

 

そして、ロードレースメインの方にとっては6月の全日本中止が決定し精神的ダメージを負っているものと考えられるので、休みを取るタイミングとしては丁度良いでしょう。

 

mid season breakって何?

 

まずは言葉の説明からいたします。読んで字の如くシーズンの途中で休みを取ることを意味します。

 

念のためPubmedとGoogle Scholarで論文を検索してみたのですが、そのものズバリの研究は見当たりませんでした。学術的な根拠のある話しというよりも、経験則として語り継がれているものなのでしょう。従って、人によって言っていることが微妙に異なります。

 

それを踏まえた上で申し上げると期間は概ね1~2週間くらい。自転車に乗ったとしても軽めの内容に抑える。ランやスイム、ハイキングや筋トレといった自分自身が楽しめる運動をしてリフレッシュすることを推奨するといった具合です。

 

私個人としても、凄まじい練習量をこなしている選手や真面目過ぎる選手。或いは10代とかで体が出来ていない選手に対しては〇日間自転車に触らないようにと指示を出す時もありますが、オフシーズンにおける完全オフほど何もしない訳ではありません。精神的なリフレッシュに対して重きをおいております。強いて言えば、シーズン中なので暴飲暴食は1日か2日に留めておくべきでしょう。

 

mid season breakが必要かどうか判断するには?

 

完全オフを終え、冬場の走り込みを行い2~3月頃からレースに参加している。もしくは週末のグループライドで追い込んでいるとそろそろ春頃のキレが無いと感じることはありませんでしょうか。

 

この時期によく見られる現象としては下記のようなモノがあります。

 

・モチベーションの低下。倦怠感。あるいは焦燥感を感じる。場合によっては軽いうつ症状。

・トレーニングを継続しているにも関わらずパフォーマンスが向上しない。もしくは低下する。

・同じ強度でも以前に比べて主観的運動強度が高い。

・やたら甘いものが欲しいといった過剰な食欲。

 

他にもあるでしょうが、パッと思いつくのはこういった内容です。もし思い当たるものがあれば休みを取るのをご検討ください。

 

休みを取らなかった場合のリスクについて

 

選手の中には異常な量をこなせる人が極稀にいます。それは確かな事実です。実際、私が担当した選手の中にはフルタイムで働きながら週に15時間以上。平均すると16~18時間くらい練習してもケロッとしている人がいたりします。

 

しかし、それは例外です。一般的な人が同じことをしたら1ヶ月もてば良い方でしょう。真似をしても良いことはありません。あくまで自分自身にとって必要かどうかが判断基準です。

 

リフレッシュする機会を設けずに継続した場合、たまたまそれをこなせる体を持って生まれれば良いですが、駄目な場合は最悪オーバートレーニング症候群に陥ります。

  

オーバートレーニング症候群に陥れば早くても数週間。重症ならば数ヶ月から年単位で競技から離れる必要があります。

 

さらに今年に関して言えば、新型コロナウィルスの影響で大会が中止・延期を余儀なくされております。延期された大会の開催が決定したら秋にレースが集中する可能性もあります。もう休みを入れる暇が無いといった事態に陥る可能性があります。

 

そうなるとずっと疲労したままでレースとトレーニングを継続しなければなりません。全力で走らなければならない時に全力を出せない可能性があります。

  

オーバートレーニングのリスクを避け、秋にエネルギーを蓄えておくため今のうちに休んでおくのは理に適っていると考えております。

 

また、休んだ方が高いパフォーマンスを発揮できるという内容のブログをポストしておりますので、よろしければ併せてお読みください。

 

パフォーマンスが上がるというデータがあるから休むべき時は積極的に休むという選択

 

mid season breakから復帰するには?

 

いわゆる無酸素領域の適応には凡そ6~8週間必要です。高強度インターバルトレーニングの研究における実験期間がそれくらいです。それより短い期間で詰め込むのは避けた方が良いでしょう。

 

そして、ハードなトレーニングをこなせる体を作るのに4週間程度は必要と考えて良いと思います。

 

従って、個人差はあるとしても、秋の本命レース3ヶ月前までにはmid season breakを取っておくべきと考えられます。

 

そうなると6月上旬か遅くとも7月中がmid season breakを取るタイミングと思われます。細かい部分はオフからの復帰にどれくらいかかったのか過去のデータと照らし合わせて適宜調整されるとよろしいかと思います。

 

恐らく復帰すぐのライドは全く走れないと思います。休んだことを後悔するかもしれませんが、1週間も練習すれば普段通りに動けるようになりますのでご安心ください。

 

一時的なパフォーマンスの低下よりも、よし次の目標に向けて頑張るぞ!と思える方がはるかに重要です。秋のレースに向けてしっかりエネルギーを蓄えておきましょう。今回のポストがシーズンをどう過ごすか考える際に役立てば幸いです。

 

編集後記

 

クライアント様を若干名募集しております。シーズン途中からになってしまいますが、後半戦に向けて頑張ってみたい方がいらっしゃれば下記よりお問い合わせください。お待ちしております。

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